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介護の仕事を始めたい人がまず調べることが多いのが、介護職員初任者研修です。どんな科目を何時間学び、どうすれば修了証がもらえるのでしょうか。
この記事では、厚生労働省の公式サイトの「介護員養成研修の取扱細則について」をもとに、介護職員初任者研修の科目と修了までの流れについて5つのポイントで整理します。後半の、介護職員初任者研修を受ける前の準備は、この記事の提案です。
※この記事は、2026年10月時点で厚生労働省の公式サイトに掲載されている内容をもとにしています。研修の日程や費用、通信学習の扱いは、研修を行う事業者や都道府県によって違います。申し込む前に、それぞれの案内を確かめてください。
介護職員初任者研修とは
研修の目的
厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」では、介護職員初任者研修の目的を、介護に携わる者が、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるようにすることとしています。
実施するのはだれか
実施主体は、都道府県又は都道府県知事の指定した者とされています。多くの場合は、都道府県の指定を受けた研修事業者の講座を選んで受けることになります。
対象者
訪問介護事業に従事しようとする者、または在宅・施設を問わず介護の業務に従事しようとする者が対象とされています。これから介護の仕事を始める人に向けた研修です。
| 項目 | 取扱細則の内容 |
|---|---|
| 目的 | 基本的な介護業務を行うことができるようにする |
| 実施主体 | 都道府県又は都道府県知事の指定した者 |
| 対象者 | 介護の業務に従事しようとする者 |
| 研修時間 | 合計130時間 |
介護職員初任者研修 5つのポイント
1. 合計130時間の10科目
研修科目は、職務の理解から振り返りまでの10科目で、合計130時間と定められています。
2. 生活支援技術が75時間
「こころとからだのしくみと生活支援技術」が75時間で、科目の中でいちばん長い時間が割り当てられています。
3. 講義と演習を一体で
講義と演習を一体的に実施することとされています。職務の理解と振り返りでは、施設の見学等の実習を活用すると書かれています。
4. 通信学習は最大40.5時間
受講者の負担を軽くするため、全130時間のうち、科目ごとの上限を超えない範囲で最大合計40.5時間を通信学習で実施できるとされています。
5. 筆記試験で修了評価
全科目の修了時に、筆記試験による修了評価を1時間程度行うとされています。この時間はカリキュラムの130時間には含まれません。
5つのポイント早見表
| ポイント | 厚生労働省の公式サイトの案内 |
|---|---|
| 合計130時間の10科目 | 10科目で合計130時間 |
| 生活支援技術が75時間 | 生活支援技術は75時間 |
| 講義と演習を一体で | 講義と演習を一体的に実施 |
| 通信学習は最大40.5時間 | 通信学習は最大合計40.5時間 |
| 筆記試験で修了評価 | 筆記試験1時間程度、130時間とは別 |
10科目と時間数
科目の一覧
取扱細則では、次の10科目と時間数が定められています。
生活支援技術の中身
「こころとからだのしくみと生活支援技術」には、介護に必要な基礎的知識の理解の確認と、生活支援技術の習得状況の確認が含まれると書かれています。
時間配分の偏り
各カリキュラム内の時間配分については、内容に偏りがないように十分留意することとされています。
| 科目 | 時間 |
|---|---|
| 1.職務の理解 | 6時間 |
| 2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
| 3.介護の基本 | 6時間 |
| 4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
| 5.介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
| 6.老化の理解 | 6時間 |
| 7.認知症の理解 | 6時間 |
| 8.障害の理解 | 3時間 |
| 9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
| 10.振り返り | 4時間 |
通信学習の上限
科目ごとに上限がある
通信学習は、合計40.5時間までですが、科目ごとにも上限が決められています。
通信で行えない科目
別添の表では、職務の理解と振り返りの通信形式の上限は0時間とされています。この2科目は通学で受けることになります。
上限が大きい科目
こころとからだのしくみと生活支援技術は12時間、介護における尊厳の保持・自立支援と、介護・福祉サービスの理解と医療との連携は、それぞれ7.5時間が上限とされています。
| 科目 | 通信の上限 | 合計 |
|---|---|---|
| 職務の理解 | 0時間 | 6時間 |
| 尊厳の保持・自立支援 | 7.5時間 | 9時間 |
| 介護の基本 | 3時間 | 6時間 |
| サービスの理解と医療との連携 | 7.5時間 | 9時間 |
| コミュニケーション技術 | 3時間 | 6時間 |
| 老化の理解 | 3時間 | 6時間 |
| 認知症の理解 | 3時間 | 6時間 |
| 障害の理解 | 1.5時間 | 3時間 |
| 生活支援技術 | 12時間 | 75時間 |
| 振り返り | 0時間 | 4時間 |
修了評価と修了証
評価のポイント
全科目の修了時に、各科目で定める「修了時の評価ポイント」に沿って、受講生の知識・技術等の習得度を評価するとされています。
難しさの目安
評価の難易度は、介護職の入口に位置する研修であることから、「列挙・概説・説明できるレベル」を想定していると書かれています。暗記だけでなく、自分の言葉で説明できるかが目安になります。
足りないときは補講
習得が十分でない場合には、研修事業者は必要に応じて補講等を行い、到達目標に達するよう努めるとされています。
修了証が出る条件
修了証は、生活支援技術の中で介護技術の習得が講師により評価され、かつ修了評価の結果が所定の水準を超えることが確認された受講者に発行するとされています。
評価の言葉の意味
列挙できる
知識として知っているレベルです。
概説できる
だいたいのところを説明できるレベルです。
説明できる
具体的に説明できるレベルです。
~できる、実施できる
技術の習得を確認するもので、実技演習で行った程度の技術を習得しているレベルとされています。教室での実技で確認することが考えられると書かれています。
研修全体で目指すこと
到達目標とは
取扱細則の別添「介護職員初任者研修における目標、評価の指針」では、各科目の「ねらい(到達目標)」を、実務においてどのような行動ができる介護職員を養成しようとするのかを定義したものとしています。
修了時にすぐできなくてよい
同じ指針では、研修修了時点でただちにできることは困難だが、修了後一定の実務後にこの水準に到達する基礎を形成することを目標にすると書かれています。
研修全体の目標の例
研修全体の到達目標には、基本的な介護を実践するために最低限必要な知識・技術を理解できること、的確な記録・記述の大切さを理解できること、人権擁護の視点や職業倫理の基本を理解できることなどが挙げられています。
チームの一員として
利用者本位のサービスを提供するため、チームアプローチの重要性と、その一員として業務に従事する際の役割、責務等を理解できることも目標に含まれています。
| 目標の例 | 内容 |
|---|---|
| 知識・技術 | 基本的な介護を実践するために最低限必要な知識・技術を理解できる |
| 記録 | 的確な記録・記述の大切さを理解できる |
| 倫理 | 人権擁護の視点、職業倫理の基本を理解できる |
| チーム | チームアプローチの重要性と役割、責務等を理解できる |
| コミュニケーション | 利用者、家族、多職種との円滑なコミュニケーションのとり方の基本を理解できる |
欠席したときの補講
補講ができる
受講者がやむを得ない理由で研修の一部を欠席した場合などには、研修事業者は補講を行うことができるとされています。
補講の扱いは事業者ごと
補講の日程や費用の扱いは、研修事業者によって違います。申し込む前に、欠席したときの扱いを確かめておくと安心です。
介護職員初任者研修を受ける前の準備
ここからは、厚生労働省の公式サイトの案内をもとにした、この記事の提案です。
通学の日程を先に見る
職務の理解と振り返りは通信で行えない科目で、生活支援技術も75時間のうち通信の上限は12時間です。通学の日に仕事や家の用事を入れないように、日程を先に押さえておきましょう。
欠席したときの扱いを聞く
補講は事業者が行うことができるとされていますが、日程や費用は事業者ごとに違います。申し込みの前に確かめておくと、急な用事が入っても慌てにくくなります。
筆記試験に向けて
修了評価は「列挙・概説・説明できるレベル」を想定していると書かれています。授業のノートに、科目ごとの大事な言葉と、その説明を1行ずつ書いておくと、見直しやすくなります。
実技に動きやすい服
生活支援技術では介護技術の習得が講師により評価されます。実技の日に着る服や靴の決まりがあるかを、事業者の案内で確かめておきましょう。
よくある質問
介護職員初任者研修は何時間?
10科目で合計130時間と定められています。修了評価の筆記試験の時間は含まれません。
全部オンラインで受けられる?
通信学習は科目ごとの上限の範囲で最大合計40.5時間とされ、職務の理解と振り返りは通信の上限が0時間です。
試験はある?
全科目の修了時に、筆記試験による修了評価を1時間程度行うとされています。
落ちたらどうなる?
習得が十分でない場合は、研修事業者が必要に応じて補講等を行い、到達目標に達するよう努めるとされています。
通信の時間は何に使う?
通信学習を実施する場合には、適切な教材及び適切な方法により、指導及び評価を行うこととされています。どんな課題が出るかは事業者の案内で確かめましょう。
欠席したら?
やむを得ない理由で研修の一部を欠席した場合などには、研修事業者は補講を行うことができるとされています。
どこで受ける?
実施主体は都道府県又は都道府県知事の指定した者とされています。住んでいる地域の都道府県の案内で、指定を受けた事業者を確かめましょう。
介護職員初任者研修は130時間の研修と筆記試験で修了
介護職員初任者研修は、10科目・合計130時間の研修と、1時間程度の筆記試験による修了評価で成り立っています。通信学習は最大合計40.5時間までで、通学が必要な科目もあります。日程や補講の扱いは事業者ごとに違うので、申し込む前に確かめておきましょう。