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言葉は丁寧にした。挨拶もした。
それなのに、介護の接遇って何を直せばいいのか分からない。そんなときは、語尾をもう一段かしこまらせる前に、相手へ何が伝わっているかを見てみよう。
たとえば、これから何をするのかを伝えずに動き始めていないか。質問を受けたとき、答えを急いで相手の話を切っていないか。これは振り返りのための仮の例だけれど、敬語の一覧だけでは確かめにくいところだよね。
手がかりにするのは、古川智子著『介護職のためのマナー・接遇入門―押さえておきたい基本がわかる』。中央法規出版の本で、身だしなみや挨拶に加え、利用者・家族・職員同士への場面別の対応も目次に並んでいるよ。
今回は、出版社が公開する試し読みと、日本介護福祉士会の倫理綱領・行動規範をもとに、接遇を学び直す入口を考えるね。全百四十四ページを読んだ書評ではなく、公開されている範囲から本の選び方と学び方を紹介する記事です。
丁寧な語尾でも、説明が抜けていたら?最初の漫画から考えてみよう
この本の公開試し読みには、高齢者施設を舞台にした漫画がある。新人と経験の長い職員が登場するけれど、どちらも、その対応をただお手本にすればよいという描かれ方ではないんだ。
新人側の場面では、声をかけた後の介助で説明が途切れている。経験を重ねた職員側では、相手へ指示するような言い方が見られる。漫画の細かな台詞を覚えるより、そこで相手へ何が届いていないのかを考えると、読み始める意味がはっきりするよ。
ここ、経験年数だけで丸を付けられないのが大事なんだね。
敬語を使ったから全部できた、とも、長く働いているから心配ない、とも決めずに振り返れる。
接遇の勉強というと、正しい言葉をたくさん覚える宿題を思い浮かべるかもしれない。でも、声をかけた後に何をするのか、相手の返事をどう受け止めるのかまで含めて見ていくと、勉強する場所が変わってくるよ。
仮に、次の予定を伝える場面を考えてみよう。予定の名前だけ伝えてすぐ準備を始める場合と、内容を説明して本人の希望を確かめてから職場の手順に沿って進める場合では、確認していることが違うよね。具体的な介助方法をここで決めるのではなく、説明と確認の機会があるかを振り返る例です。
自分の対応を見るときは、語尾、説明、返事を待つところを分けてみてね。全部を一度に「接遇が悪い」とまとめられると、次に何をすればよいか分からなくなる。説明が短かったのか、相手が話し始めたことに気づけなかったのか。分けるほど、先輩にも相談しやすくなるよ。
本を選ぶときも、言い換え表だけが欲しいのか、場面の中で対応を考えたいのかを、まず決めてみよう。この本は、公開漫画を入口に、介護における接遇とは何かへ進む構成。自分の振り返り方から学びたい人が、内容を確かめる候補になるね。
漫画と基本から学ぶ『介護職のためのマナー・接遇入門』の商品情報を見る
利用者の希望を聞くところまでが、接遇を考える土台になる
それなら、感じよく応対できればよいのかな。
ここでもう一つ、土台を置いておきたいんだ。日本介護福祉士会の倫理綱領と行動規範です。
行動規範の「利用者本位、自立支援」には、尊厳を支えることに加え、利用者の状態に応じて情報を提供し、自己決定を尊重することが示されている。支援する側の価値観へ偏らないことも、読むときに押さえたいところだよ。
すると、接遇を振り返る問いが、声の明るさだけで終わらなくなる。相手が選ぶための情報は届いていたか。こちらの都合を、本人の希望として扱っていないか。職場の決まりを伝える場合も、その説明と、本人がどう受け止めたかを一緒に見たいんだね。
たとえば、服を選ぶ場面を仮に考えてみよう。準備しやすい物を職員側だけで決める前に、本人の好みや、その日に着たい物を確認する余地があるか。実際の支援は状態や計画、職場の手順に沿う必要があるけれど、本人の希望を最初から省いてよい理由にはしないでおこう。
もちろん、希望を聞いたら何でもその場で実行できる、という意味でもないよ。自分の判断で答えられないこと、安全や支援の方針に関わることは、担当者や責任者へ相談する。そのときも、本人が何を望んでいたかを消さずに伝えることが、次の検討につながるね。
本の場面別の章と、この行動規範は役割が違う。書籍は学習の材料、倫理綱領・行動規範は専門職として考える軸。書籍の一場面を読んで、どの施設でも同じ台詞で対応すればよいと受け取らないことが大切です。
読みながら、正解の言葉を一つ書き写す代わりに、誰の希望を確認する場面なのか、どこまで説明する必要があるのかを短く書いてみてね。答えが一つに決まらないところこそ、職場で質問する材料になるよ。
読み物で終わらせず、本人の選択へ戻ってくる。ここまでつなげて学ぶと、言葉遣いの練習にも理由ができるね。
利用者への場面別対応も目次にある『マナー・接遇入門』を確認する
身だしなみは、きれいに見えるかと、支援に支障がないかを分けて点検しよう
試し読みには、身だしなみ、挨拶、表情、姿勢を見直すページもあるよ。髪や爪、服装などを、絵と一緒に確認できる構成になっている。
ただし、本の項目をそのまま全員共通の服装規定として配るのは待ってね。公開ページにも、所属する職場のルールに合わせる趣旨の説明がある。施設で決められている衛生・安全上の基準や、担当する仕事の条件も確かめよう。
ここでの振り返りは、二つに分けると整理しやすいよ。一つは、服の汚れや乱れなど、自分で整えられること。もう一つは、作業のしやすさや、利用者に接する際の安全に関わること。見た目を整える話と、支援中に支障がないかを、どちらも見るんだね。
仮に、ポケットへ物をたくさん入れている場面なら、中身の重さや出し入れの仕方を点検するきっかけになる。必要な道具まで自己判断で外すのではなく、持ち方や置き場所が職場でどう決まっているかを確認してみよう。
挨拶も、大きな声を出すことだけを目標にすると、相手や場所に合わないことがある。試し読みの基本を読んだら、相手へ顔を向けているか、別の作業をしたまま済ませていないかを、自分の振り返りへ移してみるとよいね。声量や伝え方は、その人の状態や周囲の環境に合わせて考えよう。
表情と姿勢についても、笑顔なら必ず安心してもらえる、と効果を決めつける話にはしないよ。話を聞くつもりでいても、視線がずっと別の所へ向いていたら、それが相手へどう伝わるか。そんな、目に見える行動を点検する入口にしたいんだ。
そして、相手の表情だけを見て、機嫌や気持ちを全部分かったことにもしない。様子を捉えることと、必要な確認をすることは、両方大事にしていこう。
出勤前に自分を完璧に採点しようとすると、それだけで重たいよね。まずは服装の決まりを一つ確かめる、挨拶のときの向きを一つ見直す。自分で確認できる小さな動きへ分けておこう。
家族への返事と職員同士の伝達も。話し方と聞き方を、一緒に学べるか見よう
利用者への対応を学びたいと思って本を開いたら、目次には家族への対応、職員同士の対応もある。
あ、そこまで含めて考える本なんだね。
出版社の案内と販売ページには、話し方、聞き方、報告・連絡・相談、謝罪、電話応対なども挙がっている。ただし、これらの章の本文は今回すべて読めていないので、具体的な推奨手順まで紹介することはしないよ。購入前は、目次と公開範囲で、自分の学びたい場面が含まれるかを確かめよう。
そのうえで、ここからは本を読むときの活用案です。家族から質問を受けた仮の場面なら、質問の内容と、自分が答えられる範囲を分けて考えてみる。分からないのに、その場を収めるための答えを作らない。誰へ確認して返事をするのか、職場の窓口や手順を確かめる材料にしよう。
感じよく受け答えしたい気持ちと、確かめていないことを断言することは、つながらなくてよいんだよ。むしろ、確認が必要な内容を自分で見分けるところまで、学ぶ課題に入れたいね。
職員同士では、言いにくかったことを一つ思い出してみてもいい。新人だから遠慮したのか、相手が忙しそうで声をかけられなかったのか、何を伝えるべきか整理できていなかったのか。同じ「相談できなかった」でも、必要な助けが違うからね。
日本介護福祉士会の行動規範では、関係職種との連携や、情報を共有することも示されている。相談を、自分の失敗を隠さず叱られるための作業としてだけ捉えず、支援をつなぐために必要な行動として学んでいこう。
一方で、情報共有なら何でも広く話してよいわけではない。行動規範には、プライバシーの権利、個人情報の扱い、業務の内外に及ぶ秘密保持についても記されている。場所や相手、伝える内容を職場の規定と照らすことも、一緒に確かめたいね。
言葉を滑らかに話す練習だけで終わらず、聞く内容、確認する相手、共有してよい範囲へ進む。場面別の本を読むなら、この順番で自分の疑問を置いておくと、職場で聞きたいことを整理できるよ。
一人で反省し続けるより、一場面を選んで先輩と振り返ろう
本を買ったら、最初から最後まで一気に読み切らなくちゃ。
そう構える前に、今ひっかかっている場面を一つ選んでみてね。全部を一晩で身につける計画より、相談したいことが一つ言えるところから始めよう。
たとえば学習用に、日常の対応を振り返る小さなメモを作る方法があるよ。書くのは、困った場面、自分がした説明、相手へ確かめられなかったこと、次に先輩へ聞きたいこと。これは本からの書き写しではなく、この記事から提案する振り返り方です。
個人の学習メモへ利用者の氏名や詳しい生活情報を書き込んだり、職場の記録を勝手に持ち出したりはしないでね。職場で認められた方法で、必要な情報を扱う。相談に個別の情報が必要なら、適切な場所と手順を担当者へ確認しよう。
先輩へ聞くときは、自分の対応全体を採点してもらう頼み方から、一つの動作や判断へ絞ることもできる。声をかけた後、どのタイミングで説明を加えるか。この場面で、どこまで自分が答えてよいか。具体的な疑問にすると、次に確かめることが見えてくるね。
ただし、自分の印象だけで、利用者が怒った理由や不安の原因を決めつけないことも大事。場面の振り返りは、相手の心を当てる作業ではないよ。見聞きしたことと、自分がそう思ったことを分けて、担当者と確認する材料にしよう。
また、忙しい時間に接遇の振り返りを全部始めると、十分に話せないこともある。緊急性のある報告や相談は職場の手順を優先し、学習として話す時間は、いつなら取れるかを確かめる。相談の中身とタイミングを分ける考え方です。
振り返ったら、次に意識することを一つ残しておこう。説明を足す、相手が話し始めたら手元の作業との優先を確かめる、返答前に担当者への確認が必要か考える。実際の支援手順を勝手に変えず、教わった内容を職場の方法で確かめていくんだね。
できなかったことを増やすための本にしなくていいよ。次の勤務で何を意識するか、それを言葉にする材料として使おう。
買う前は、目次と試し読みで「今知りたい場面」があるか確かめてね
本の仕様は、中央法規出版の案内で、B5変型、百四十四ページ、二〇二四年刊。著者は古川智子、編集協力は中央法規出版「おはよう21」編集部です。紙の本を探すときは、ISBN9784824301123で照合できるよ。
構成は、接遇のレベルを点検する序章、介護におけるマナー・接遇を考える章、基本を押さえる章、利用者・家族・職員同士への場面別の章へと続く。一般のビジネスマナーを介護の場面へ自分で置き換えることに迷う人が、内容を確かめたい一冊だね。
一方、特定の介助技術を習得する教本や、職場ごとの業務手順を確認する資料としては、別の材料も必要になる。接遇の本一冊で、実技や個別の支援方針まで決めようとはしないでおこう。
公開の試し読みは、表紙と、序章や基本の一部など、選ばれたページを見られるもの。ページが途中で飛んでいるので、最後まで表示したから全編を読めた、とは数えないでね。購入前には、その範囲で絵や文字の大きさ、説明の入り方も見てみよう。
楽天の検索では、紙の本に加え、中古本や電子書籍も並ぶ。今回、実際の商品ページを確認したのは、ネオウィングの紙の本の案内です。持ち歩いて学ぶのか、端末で読むのか、職場での扱いも含めて形式を選び、注文する商品の状態と配送条件を確認してね。
接遇って、言葉の間違いを探すだけだと、どんどん話しにくくなってしまうよね。でも、何を伝えるか、何を確かめるかへ戻れば、次にすることを具体的にできる。
まずは試し読みの一場面を見て、今の自分ならどこを質問したいか考えてみよう。その疑問を持って目次を開くと、学びたいページの探し方も変わるよ。明日の全部を変えなくて大丈夫。一つ、職場で確かめたいことを持っていこう!
ISBNを照合して『介護職のためのマナー・接遇入門』の販売条件を見る
出典:中央法規出版の書籍案内、出版社の公開試し読み、日本介護福祉士会の倫理綱領・行動規範。商品情報・公開範囲は確認時点のものです。